2008年5月1日木曜日

ハクシャー=オリーン・モデルにおける仮定

10の仮定
 1、対象国数、生産要素数、商品数 2種類の生産要素があって、2種類の商品を生産している二つ国を想定しています。また、生産要素賦存比率は二つの国でことなるという仮定を設けています。
 2、生産技術 2国において生産技術は同一です。別の言葉で言えば、生産関数は2国で同一であるということです。
 3、生産において規模に関して収穫一定 資本と労働の両方の投入量が同じ割合で変化したならば、生産量も同じ割合で変化するという仮定です。たとえば、資本と労働の両方の投入量が2倍になれば、生産量も2倍になるということです。
 4、生産にわける要素集約度 生産にあたって必要となる資本と労働の割合は、二つの商品の間で異なると考えています。たとえば、衣類は労働を比較的に多く必要とするのに対し、機械は資本を比較的に多く必要とするといった具合です。要素集約度の順序は、生産要素の相対価格がどのようなものであっても同じであるという仮定を設けています。
 5、不完全特化 二つのどちらの国も一つに商品に生産を完全特化することはないと仮定しています。この仮定は、両国の経済規模が比較的に似ているということを意味しています。
 6、完全競争 二つの商品の市場と二つの生産要素の市場においては完全競争が行われていると想定します。完全競争市場では、すべての需要者と供給者は価格に対して影響力はなく、価格を与えられたものとして行動するプライス・テーカーになります。
 7、生産要素の移動 生産要素は一国内では産業間を自由に移動することができますが、国際間では移動は不可能であるという仮定を設けています。
 8、2国の需要パターン 消費者の好みを反映する需要パターンは二国において同一である想定します。
 9、自由貿易 2国間で行われる貿易には関税とか輸入数量割当などの貿易の障壁は存在しません。
10、輸送費用 輸送費用はゼロという想定です。この仮定と9の自由貿易という仮定があることによって、貿易は商品価格が2国で絶対的に等しくなることを保証します。

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